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ご使用条件を設定する時に役立つ情報

キヤノンプレシジョンの各製品をご利用頂くうえで役立つ技術に関する情報を紹介しています。

シリコーン雰囲気は苦手

シリコーン障害品

SEMによる成分分析

ブラシの摩耗状態に問題なく、コイルや磁石も問題がない状態でトルクや回転数が低下したり、起動不良となる事があります。このような場合は接点障害が疑われ、その代表例として「シリコーン障害」があります。

原因

モーター近傍にシリコーン系物質があると、揮発した低分子シロキサンガスが整流子表面に付着し、ブラシ・整流子から発生する火花と熱により絶縁性の高い酸化シリコーンが生成されます。酸化シリコーンはブラシ・整流子の電流を妨げ、特性低下から起動不良を発生させます。

特定

シリコーン障害が疑われる場合は電流(整流)波形を確認します。軽度の場合はリップルが大きく、乱れた波形となり、起動トルクが低下しています。障害が進むと電流が流れない箇所(デッドポイント)が発生し、整流子に黒色の異物付着が目視でも確認できます。

  • 弊社では走査型電子顕微鏡(SEM)で整流子表面を分析をして原因特定します。

対策

シリコーンは様々な雰囲気に存在しており、発生頻度が高い場合は搭載製品および製造工程および使用環境を確認して下さい。モータ近傍からシリコーンを排除することが必要ですが、排除できない場合はブラシレスモータへの変更を推奨します。

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セグメント間ショートを回避するには

タイプ1(金属摩耗)

タイプ2(熱で溶融)

整流子の表面状態は、負荷や回転数だけでなく温度や湿度の影響を受けます。モータメーカは様々な使用環境にも良好な状態を保つように設定していますが、使用される条件によっては故障してしまうことがあり、その一つが「セグメント間ショート」です。 絶縁されている整流子のセグメントが導通してしまう現象で、モータのトルクがなくなるだけでなく、過大電流が流れ、大きな問題となります。

原因:二つのタイプの原因があります。

  1. 整流子の温度が低すぎるため表面の金属被膜が形成されず、ブラシと整流子が擦れることで整流子表面が削り延ばされショート。特徴としては整流子に円周上の傷が見られ、スリット部に金属のバリが生じている。
  2. 高速回転からのショートブレーキで整流子表面が荒れ、ブラシ・整流子が過渡に摩耗し整流子スリットに体積する。過電流による熱で溶解した摩耗粉が凝固しショート。特徴としては球状の塊が多数存在している。

対策

  1. 低負荷となっている使用条件をモータの定格条件に近づける。極端な低温環境を避ける。
  2. ショートブレーキを開始する回転数の設定を下げる。ショートブレーキの電流値を制限する。
  • ご使用条件に適したモータ選定および条件設定のアドバイスをさせて頂きます。

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減速機出力軸からの回転入力

外力により破損したギヤ

減速機には最大許容トルクが設定されています。実使用トルクをご確認頂くほか、出力軸を拘束した状態での通電は避けて下さい。 減速機の構成によってラジアル荷重(オーバーハング荷重)を受けられないタイプもありますので、仕様をご確認いただき、必要に応じて保持機構を設定願います。

注意

減速機出力軸に衝撃を加えないように注意して下さい。

  • 機構部にダメージを与える他、出力軸や軸保持部が破損する可能性があります。 減速機出力軸からの回転入力は行わないで下さい。製品構成上避けられない場合は、下記の点にご注意頂いた上で当社までお問い合わせ願います。
  • 減速機出力部にダメージを与えないように荷重(ラジアル/アキシャル)に注意願います。
  • 減速機出力軸からの回転は増速機となるためモータを始め駆動部に許容以上の速度(角速度)が掛かることとなり故障の原因となります。
  • 減速機出力軸から回転させるとモータは発電機として機能します。そのため、モータ駆動回路や電源にダメージを与える可能性があります。

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熱容量が小さいので発熱に注意

正常なコアレス巻線

熱で変形したコアレス巻線

コアレスモータは熱容量が低く、鉄芯がない構造となっているためコイルからの放熱が困難であり、コイルの剛性もあまり高くありません。

原理

コイル容積(体積)が少ないため、電流を流しすぎると短時間でコイルが変形し、磁石と接触し、最悪はロックに至ります。

注意

軸を拘束した状態もしくは過負荷の状態で運転を続けることは避けて下さい。

鉄芯あり

鉄芯なし

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光学式エンコーダのメリット・デメリット

PH01/PHS1シリーズ

PH01/PHS1シリーズ

光学反射式エンコーダの原理

光学反射式エンコーダの原理

一般的なエンコーダの検出方法を大別すると光学式と磁気式に分けられます。
光学式は、透過型と反射型があり、当社のエンコーダは光学反射タイプとなります。 受光素子と発光素子(LED)は同一面上に配置され、発光された光をスケールにより反射し、受光素子で信号を検出します。スケールには反射パターンが形成されています。

磁気式と比較して以下のメリットとデメリットがあげられます。

メリット
磁気式に比べ高精度、高応答
強磁場環境でも使用可能
デメリット
ホコリや油分などの汚れに弱い

対策

スケールやセンサヘッドの受光面にごみや汚れが付かないよう対策を設ける必要があります。

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当社光学式エンコーダの特徴

取付時の調整成分

取付時の調整成分

Gap特性

イニシャライズ後の累積精度

イージーアライメント

当社の光学式エンコーダはインクリメンタル検出とアブソリュート検出の両方式を用意しています。 特にアブソリュート検出は独自の検出アルゴリズムにより、小型で高速な検出処理を実現しています。 また独自のセンサ光学設計やスケールパターン設計、補正処理によって、スケールとエンコーダヘッドのアライメント許容値が大きいことが特徴であり、取り付け時の作業時間が短縮できます。

イニシャライズ

エンコーダ信号処理の精度向上のために、センサが検出するアナログ信号のアンバランスや周期誤差の補正を行っております。 このため、お客様の装置にエンコーダを取り付けた後に補正値処理のためのイニシャライズ動作が必要です。 イニシャライズ動作のために当社では専用の治具を用意しております。また一度イニシャライズを行った後の補正値は信号処理回路の内蔵メモリに書き込まれるため、再度行う必要はありません。 (アブソリュートの場合は、精度向上に関わらずイニシャライズが必要です。)

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光学式エンコーダの性能に影響を及ぼす周囲環境

スケール上のゴミ

スケール上のゴミ

ゴミ付着時の累積位置誤差

ゴミ付着時の累積位置誤差

弊社のエンコーダは光学式であり、小型高精度を実現するために独自の信号処理アルゴリズムやセンサ設計技術、スケール設計技術を使っています。これらの設計条件を最良の状態で使用いただくためには以下の周囲環境設定において注意が必要です。

注意が必要な周囲環境

  • 粉塵や水滴、油分を含む大気環境
    センサの受光面やスケール反射面にキズやゴミが付着した場合、受光光量低下による精度悪化につながります。
  • 外乱光が強い環境
    高感度のセンサを使用しており、別光源からの外乱光はその周波数や強度によっては影響を受けます。
  • 動作保障温度範囲外の環境
    光源であるLEDの劣化やスケールの伸縮、処理回路素子の精度ドリフトによって精度の悪化につながる場合があります。 また保障温度範囲内であってもスケールの材質に応じた熱膨張係数を考慮する必要があります。
  • スケール貼り付け部材の平面度が悪い場合
    貼り付け部材の平面度が悪かったり、貼り付けるスケールとの間にゴミを挟み込むことによって、スケールスリット間のピッチ誤差が大きくなり、精度悪化につながります。

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